しばらく前、病院を退院して自宅に戻るお手伝いをさせていただいたお客様から電話がありました。
お客様 「今日の夜、8時にお迎えにきてもらえますか?」
私 「はい、お伺いしますよ。どちらまでお連れしましょうか?」
お客様 「先日退院した夫を、○○というお寺まで。そこで会食がありますので・・・」
私 「では、8時にお伺いいたします。ありがとうございます。」
その後しばらくして、また電話が鳴り、先ほどの奥様でした。そして、
お客様 「今、家の外で電話しているのですが、先日退院した夫が、おかしなことを言いだすのです。先ほどの電話も、以前入院していたときの担当のお医者様と、今晩お寺で食事をすることになっているから、介護タクシーを呼んでほしい。と言い出して・・・それで仕方なく電話をかけたのです。もちろんそんな食事会はありません。でも夫が頑として聞き入れないので、すみませんが来てください。そして夫が言う場所まで連れて行って、納得させてもらえればいいので。」
とおっしゃいます。ほんとうに困り果てた様子でした。
しかし、私の中では、ご主人をそのお寺にお連れするという案はナシです。退院間もないご主人を寒空の外へ連れ出して、体調を崩すと大変ですし。
そこで私は7時過ぎに
「すみませんが、急患がありまして、今日の食事会は中止ということでお願いします。ほんとうにすみません。」
とお医者さまのふりをして、ご主人にお電話をかけました。
ご主人も納得してくれたようで、奥様も一安心されました。