日本でここだけの○○
お孫さんの結婚式、披露宴にご出席される方を、神戸メリケンパークオリエンタルホテルにお連れし、感動の一日にご一緒させていただきました。
当社の看護師が、往復の車中・挙式・披露宴とすべてに付き添い、お食事やお手洗いのケアを行い、ご家族様は「安心の中、式が進行しました」と大変お喜びになっておられました。
ところで、この度の会場、神戸メリケンパークオリエンタルホテルには全国的にみてもここだけの秘密(?)があります。
ホテル最上階のバルコニーに灯台があるのです。
神戸はかつてより「100万ドルの夜景」とも称される素晴らしい景観なのですが、それ故夜間、海上から灯台の明かりが識別しにくかったそうです。
そこで、海からでも見やすい高い場所ということで、以前旧居留地にあったオリエンタルホテルの屋上に灯台を建て、海の安全を担っていたのですが、あの阪神淡路大震災で、オリエンタルホテルは全壊してしまいました。
しかし、半年後オープンした神戸メリケンパークオリエンタルホテルに灯台が引き継がれ、そのレンズは当時の物だそうです。
人生航路を共にする誓いをたてた記念のホテルには、日本に唯一の灯台があり、航路の安全を守ってくれているのですから、お二人の未来もきっと順風満帆です。
余談ですが、灯台は英語で「Lighthouse(明かりの家)」。東播介護タクシーを運営する当社も株式会社ライトハウスです。社名の由来は、幅ったいですが、「病気や怪我の治療、介護に日々努められている方々の一助になり、先を明るく照らすことができたら・・・」という思いからです。まだまだ勉強中ではありますが、神戸メリケンパークオリエンタルホテルの灯台のようにみなさまのお役に立てるよう頑張ります!
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お風呂は嫌なんです~!!
東播介護タクシーをよくご利用いただいている、ある認知症専門施設の施設長さんからお聞きしたお話です。
どうしても入浴したがらない女性の方がいました。かれこれ、一か月になり、周りの利用者様からも苦情が出るようになってきました。職員も、どうして入浴したがらないのかが、わかりません。
まあ、男性職員数人で無理やり、お風呂場に連れていけばすむことなのですが、やはりお風呂は楽しく入ってもらいたいのです。
ある時、施設長が女性とお話をしました。お風呂のことは関係なく、昔の楽しかったことや、好きなことなど四方山話です。
その中で、女性が「私の肩には、とても大切でかわいいインコがとまっているんです。」という話を始めたのです。「ああ、そうなんですか」と相づちを打った施設長は、ハッとしました。
そして優しく「お風呂に入りませんか?その間、インコは私が大切にお預かりしますから。私も小鳥が大好きだから大丈夫ですよ。」と言うと、すんなり入浴しました。
やはり、親身に傾聴し、信頼関係を築くことが大切なんですね。
未体験ゾーンへ
「もう長い間外に出ていない父をどこかに連れて行きたいんですが、どこかいい所ありますか?行ったことがない所なら喜ぶと思うんですが、、、。」というお電話がありました。
「もちろんありますよ!日本一の所に行きましょう!」ということで、お連れしたのは、👉あべのハルカス。大阪市にある現在日本一高いビルです。その高さ300メートル!地上60階!!日本一のビルからのパノラマ夜景を堪能していただきましょう。
エレベーターに乗り60階の展望スペースに着くと、そこは360度壮大な景色が広がります。お父様も「外出だけでも嬉しいのに、こんな夜景は見たことがない!ほんとにうれしい!それにしても、すごい高さやなあ!」と大興奮で大変お喜びになり、大満足していただきました。
その後、これも久しぶりの外食をお楽しみになり、帰路につきましたが、車内でも感動冷めやらぬといったご様子で、ご一緒のご家族さまにも喜んでいただけました。
全行程リクライニング車いすをご利用で、当社スタッフが同行、食事、トイレのケアもスムーズにさせていただきました。
歩行が困難になると、外出の機会がどんどん減ってしまいますが、それでは気分も容体もリフレッシュできません。そんな方がいるご家族さま、どうぞあきらめることなく、我々にご相談下さい。行先の提案から当日のありとあらゆるケアまで、安心してイベントを楽しんでいただけますよ!
東北大震災から5年・・・
あの日、病棟で仕事をしているときに、かすかな揺れを感じました。しばらくして、患者さんから「東北でえらいことになってるで!」と、恐ろしい津波が映し出されたTVを見せられました。
当時勤務していた病院からも、医療救護班が宮城県石巻市に派遣されました。私も志願しました。第3期の派遣で、震災から2か月近く経っていたので交通網は少し整備されていましたが、移動の車の中から見える景色はただひたすらに瓦礫ばかり・・・。
避難所となっている小学校の1室での診療業務。通常の診療とは違い、すべてのことを限られた支援物資の中で行わなければいけません。熱発・腹痛・・・病院ではすぐに採血やレントゲンなどの検査ができますが、ここでは医師の触診・視診だけが頼り。他はインフルエンザの簡易検査ぐらい・・・。本部になっている石巻日赤病院までは車で1時間以上かかります。すぐに搬送するか、様子を見てもいいものか・・・。その方は、救護班の車で搬送することになりました。また、このころになるとお年寄りなどは徐々に体調を崩す方がほとんどです。
食事は、朝はパン等、昼・夕は自衛隊の炊き出しがありました。救護班の食事は、自分たちで準備することになっていましたが、ある日『現状を知る意味でも、一度炊き出しを食べてください』と、御馳走になる機会がありました。栄養のバランスが考えられていて、一言でいうと肉体労働者向きの食事です。全体的に濃い味付けで、お年寄りには塩分のとり過ぎが心配されました。実際、救護室に来る方の多くが血圧が高く、内服を調整している状態でした。
3.11の日を迎えるたびに、あの石巻での1週間を思い返します。いまだ多くの方が仮設住宅で暮らし復興が進んでいないと、メディアで見るたびに、私にできることはないのかな・・・と考えます。
左:日和山、津波で消えてしまった町 右:女川の高台、ビルの上に車が・・・
byケアドライバー 看護師M
ルーティンは大事
最近、介護タクシーを利用していただくようになったご家族から、急に予約がはいりました。
ちょうど車が空いていたのでお引き受けし、お宅に伺いました。
おばあちゃまが認知症で、事情を聞くと、自宅にいるのに「家に帰りたい、家に帰りたい」と、ずっと、せがむそうです。「今、家にいるんですよ」と何回言い聞かせても、聞き入れません。
そこで、介護タクシーを利用して、少しドライブをしてみようと、家の方は考えたそうです。
さっそく、車に乗り込み近所を少しドライブし家に帰ったのですが、玄関の前に車を止めても「ここは私の家ではない」とかたくなにおっしゃいます。家族の方がイライラされているのがよくわかりました。
ご家族に「いつも大変なんですね」と声をかけると、「少し前までは歩けていたので、自分で裏の方からお部屋に直接出入りしてたんです。歩けなくなってから玄関にスロープを付けて出入りするようにしたんです」とのこと。
そこで、はっと思い、おばあちゃまの車いすを押し裏に回りました。段差があるのですが、この位なら私共には難なく介助できましたので、「お家に帰りましょうね」と言いながら慣れ親しんだ裏口からお部屋に入っていただきました。おばあちゃまは、すぐ納得されて機嫌も良くなりました。
しばらくして、ご家族に様子伺いの電話をすると「もう帰りたいと言わずに就寝しました」と、お喜びになっていました。